祈りと祈りの力、そして意識連鎖

スポーツの試合で、多くの選手が「応援が力になりました」と応援している人に感謝している場面をよく見かける。また、私たちはスポーツの試合で真剣に応援することにより試合に疑似参加して楽しみ満足感を得る。また試合の雰囲気を盛り上げることにより、試合をしている選手に力を与えたのではないかと考えている。

しかしそれだけだろうか。「本当に応援の力は選手に力を与えているのだ」といえば、どのように思われるだろうか。

興味深い科学実験がある。

ノエティック科学研究所の超心理学ディーン・レイディン博士が、ネバダ砂漠の真ん中で行われる「多くの人が参加して巨大な人形を燃やす」バーニングマンというイベントで、壮大な超能力実験を行った。乱数発生器Psyleron(0と1がランダムに出るが確率は1/2になるよう設計。量子を利用)を使って、極度に(7万人の)意識が集中すると、変化が現れるのではないか?という仮説を立てて実験をした。
会場に6台のシールドされた精密な乱数発生器を分散配置、巨人像に集中、点火、燃え上った。その瞬間に230万分の1の確率で起こる大きな偏り(1の発生ばかり)が現れた。
7万人の「意識のパワー」が、大きな変化を引き起こしたことが確認されたのである。

この実験は、プリンストン大学の心理学ロジャー・ネルソン博士たちが、乱数発生器乱数発生器Psyleronhttp://www.psyleron.com/ を世界の約50カ所に設置し、大きな事件・事故が勃発した時、大きな偏りが現れないか?というのを探る目的で24Hデータ採取する地球意識プロジェクトを実行していた時、2001.9.11同時多発テロ事件で、世界の集計データが発生の11日から大きく逸脱したということを検証しようと企画されたものだった。(NHKスペシャル2014/3/22「超常現象ー科学者たちの挑戦」より)

人間が意識を集中させると、意識のパワーが確立1/2の世界を変えるということを証明したのである。

人間の意識のパワーは、この世界に力を具体的に及ぼしているのである。私たちは、人間が団結することにより一人一人の力を合わせた以上の力を発揮することを、三人寄れば文殊の知恵とか、チームワークの勝利であるとか、みんなの心を一つにしたのが勝因ですとか、団結が力をもたらすといって経験上感じている。

人間の意識が集まり集合意識となると、ものすごいパワーをもたらすのである。意識を集合することによって、この世界は動かされている側面もあるのである。

さて、意識の力といえば、祈り、祈祷の力がある。祈りは、祈る人に安らぎを与え、勇気を与え、力を与える。宗教は、祈りを通して神仏からの慈悲の力を受けてきた。祈りは、それぞれの宗教によって違いがあるにしても、どの祈りも神仏との対話であり、祈ることによって神仏の慈愛の力を受けてきた。

そして宗教は、祈りの力を高めるためにさまざまな方法を編み出してきた。融通念仏、法華会、国家守護の大法会という集団祈祷を編み出してきた。現代人は、単なるイベントに過ぎないと馬鹿にしているかもしれないが、意識のパワーが確立1/2の世界を変えてしまうという実験データに見られるように、意識は集積すると大きな力をもたらすのである。

皆が集団で祈ることによって集積した意識は大きな力をなすのである。古来日本では、国家守護の祈祷が頻繁に行われてきた。祈りが具体的な力を果たすことを知るならば、この方法は効力をもつものであったことがわかるだろう。

集団祈祷は、大きなパワーをもたらす。そこには一つの法則がある。基台の法則あるいは型の法則と呼んでもいいものである。僧都源信が始めた二十五三昧講は、25人の信仰の友が祈り合い助け合う集団だった。現在でも行われている寺院の大法会では、千人単位の集団祈祷がなされるが、その祈りのパワーは並外れているはずである。また、イエス・キリストの3弟子、12弟子、釈尊の十代弟子、ユダヤ12部族というように数の基台を築くことによって、その教えは地上で広がる基盤を得て、効果的な意識パワーを作り出していくのである。そしてその意識パワーは、意識の連鎖という形によって影響を与えていくのである。