2012-01-01から1年間の記事一覧

(仏教・ヒンズドゥー教)金持ちがこの世で持っている財産は、神さまからの預かりもの

お釈迦様の前世の修行の様子を伝えた経典に「ジャータカ(本生譚・ほんじょうたん)」という経典があります。この経典のなかにこんな話があります。 【親子何代にもわたって貧しい人々に布施をしてきた金持ちの家がありました。あるとき、当主がケチになって…

エンゲージド・ブッディズム(人間仏教)と慈済基金会

東日本大震災の海外からの援助の中で、台湾から多大な援助を受けたことは、多くの日本人が鮮明に覚えており大変感謝している。その台湾からの援助で、慈済基金会という宗教団体が85億円を超える援助を行っていたことはほとんど知られていない。一民間団体と…

いんやく りお「自分をえらんで生まれてきたよ」が語っていること

表題は、サンマーク出版から2012年5月に出版された本の題名である。いんやく りおは、小学生の男の子。りおが語ることばは、周りの人をそして読者を驚かせています。少し書いてみます。 赤ちゃんは、どのお母さんにするか、どんな体にするか、どんな性格にな…

トルストイの「人はなんで生きるか」より

レイ・トルストイの晩年の民話の中に「人はなんで生きるか」という民話があります。この民話は、天使ミハイルが、神さまの「ひとりの女の魂を抜いてくるように」といういいつけをやぶって人間界に下ろされて人生とは何かを悟ってくる物語です。 「神さまから…

仏教では、宗派によって人の死後、往くところが違う。

「はるかな遠い昔から現在まで、流転しつづけてきたこの苦悩の現世ではあるが、なぜか無性に捨てがたく感じられるというのも、そして、まだ見ぬ安らかな浄土を慕う心がおきないというのも、これもまた煩悩の焔のせいである。しかし、どれほど名ごりおしかっ…

悟りを得た仏陀といえども、悪魔に試され、基台なき場合はこの世に存在できない。

仏陀の入滅が近くなった時のこと、次のようなことがあった。「アーナンダよ。究極の真理を悟った仏陀は、もし本人が望むならば、一劫のあいだこの世にとどまり、人々を教化することができるのだよ。(一劫とは、120歳ぐらいまでの天寿と考えられる)」こう釈…

「空」の考えは、仏教の専売特許ではない。

「空」という言葉は、仏教だけでなく聖書にも登場する。この言葉をもって、仏教の特徴だとすることはできない。 旧約聖書の「伝道の書」の一節(冒頭の部分) ダビデの子、エルサレムの王である伝道者の言葉。伝道者は言う。空の空、空の空、いっさいは空で…

仏教のミニ知識4-釈尊入滅後の歴史(インド)3-密教とヒンドゥー教への吸収・終焉

1、密教とは 釈尊入滅後から約400年紀元前後に登場する大乗仏教は、民衆化した仏教である。大乗仏教がさらに民衆化、ヒンドゥー化(インド化)を進めると密教になる。密教は、大乗仏教がヒンドゥー教に融合してしまう一歩手前の段階である。そして最後には…

仏教のミニ知識3-釈尊入滅後の歴史(インド)2(龍樹以後)

1、中後期大乗仏教の主題 中後期大乗仏教は、龍樹(150~250ごろ)以降の時代を示す。龍樹は、「空」の哲学の完成者で、大乗仏教を基礎づけた。龍樹以降の大乗仏教の特徴は、初期大乗経典が声高らかに謳いあげた「大乗仏教こそ、釈尊の真の教えを反映した仏…

仏教のミニ知識2-釈尊入滅後の歴史(インド)1

1、小乗仏教(部派宗教)の成立 釈尊滅後、仏教教団(サンガ―僧伽)は出家者の弟子たちの合議制によって運営されてきた。ところが、釈尊滅後200年(釈尊入滅年に対しては、100年以上も差がある二説が出されている)アショーカ王の時代、保守的な上座部と進…

仏教のミニ知識1-釈尊の教え

仏教のミニ知識は、ひろ さちや著の【仏教の歴史シリーズ(第1巻~第10巻)】春秋社ーを主に参考にして書いたものです。異論、反論もあるかもしれませんが、まずは複雑な仏教の全体像を知っていただくために書きました。仏教歴史を学んだことのない人には、…

哲学者中村 元先生が語る仏陀の教え(2)「私は皆を導くなど思ったことはない」

中村 元先生が、マハー・バリニヴァーナ・スッタンタ(漢訳大般涅槃経)(パーリ語)を中心に語られている一部分を紹介してみます。このお経は初期仏教中で釈迦の最後の旅から始まって入滅に至る経過を記述したもので、釈迦の生きた時代を色濃く残しています…

■哲学者中村 元先生が語る仏陀の教え(1)自らを拠り所とせよ。

今回ここにブログを開設しました。最初のブログに中村 元先生が語られる仏陀の教え「自らを拠り所とせよ」をのせました。インド哲学、東洋哲学の大家で文化勲章受章者である哲学者中村 元先生は、インドの古代思想にまでさかのぼり、はじめて原始仏典を現代…