『心霊現象』-スピリチュアリズムの見解

 この世で起きている心霊現象については説明がつかないため、ありえないことと否定する人が多い。しかし、多くの心霊現象は今も世界のいたるところで起き続けている。どのような仕組みで起きているのかについては誰もが不思議に思っている。ここでは、スピリチュアリズムが蓄積した研究成果を紹介してみたい。

 スピリチュアリズム並びに近代心霊研究は、その発祥のもととなった1848年のフォックス家事件に始まる。スピリチュアリズムは、その後の長い研究の中で非常に興味深い見解を提供している。その内容は、決して笑いごとですまされるものではない。

 コナン・ドイルは、スピリチュアリズムへの懐疑論者に対して次のような厳しい言葉を述べている。

「枚挙に暇(いとま)がないほどの著名人が、多くの時間と情熱を注いで確立した見解を“ナンセンス”だの“たわごと”だのといった、ぞんざいな言葉で片付けていられる時代は確実に去りつつある。今まさにスピリチュアリズムは、これまで以上の証拠を出そうと思えばあふれるほど出せるし、それに対する反証をいくら持ち出しても、ことごとくその人の重荷となっていく段階に立ち至っている――証拠、証拠としつこく要求する人ほど、実はそれまでに出されている膨大な証拠をまじめに検討していない人たちである。」http://www5e.biglobe.ne.jp/~spbook/sp-introduction1/sp-introduction1-1_01.htm

 

 紹介するスピリチュアリズムの見解は、次のウェブサイトのものである。

スピリチュアリズム普及会第一公式サイト・第二公式サイト・第三公式サイト】

http://www5a.biglobe.ne.jp/~spk/

 

 霊的真理を受け入れるためには、それに先立って霊魂の存在を認めなければなりません。「霊魂説」は霊的真理の最も基本ですから、人々が霊的真理の全体を理解するためには、まず「霊魂説」を受容することが不可欠です。「人間は死んでも消滅することはない。霊として永遠に霊界で生き続ける」「霊界は、我々が住んでいる物質世界に重複して存在している。同じ場所に次元を異にして存在している」「霊界に住む霊から、絶えず地上人に向けて働きかけがなされている。その働きかけによって心霊現象が引き起こされる」――こうした基本的な霊的真理、すなわち「霊魂説」を証明するために、霊界側は心霊現象を演出したのです。

 フォックス家事件がきっかけとなり、霊媒を使って心霊現象を起こし、そのメカニズムを解明したり、霊魂の存在を証明するという心霊研究の道が開かれることになりました。それと同時に霊から通信を受け取ることによって、他界後の世界の様子を探索していく道も開かれることになったのです。心霊現象の中で、まず科学者が研究の対象としたのが「物理的心霊現象」です。これは、私たちの周りで怪奇現象とか超常現象としてよく騒がれる現象のことで、宗教では古来から“奇跡”として扱われてきたものです。物質世界の法則だけを研究対象とする現在の科学にとって、心霊現象は初めから研究対象とはなり得ないものなのですが、近代心霊研究では、さまざまな心霊現象に対して、当時の一流の科学者による厳しい検証・研究が進められました。物理的心霊現象は、科学者に霊的世界の存在を知らせることが大きな目的だったのです。

 スピリチュアリズムは、その後「物理的心霊現象 → 霊魂説の証明・霊界通信の準備 → 霊界通信 → 霊的真理・霊的教訓」へと展開し、現在では心霊現象の中心は「心霊治療(スピリチュアル・ヒーリング)」や「主観的心霊現象」といった先進諸国の知性レベルに相応しいものへ移ろうとしています。地上人の内面に向けてより強く働きかけ、「霊的覚醒」を促すことができるものへと変化しつつあるのです。

http://sp-phenomena.in.coocan.jp/part2/p2chapter5/p2c5-01.htm

 

(1)「スピリチュアル心霊現象」と「サイキック心霊現象」

 心霊現象には、スピリチュアル心霊現象とサイキック心霊現象の二種類があります。

1-1、スピリチュアル心霊現象

 霊(スピリット)が主導して引き起こす現象であるため、「スピリチュアル心霊現象」と言われています。一般的な心霊現象(スピリチュアル心霊現象)は、霊界サイドの霊たちと地上の霊能者のコラボレーションによって演出されます。

 「スピリチュアル心霊現象」の場合は、霊界にいる霊たちからもたらされる「スピリット・エネルギー」と、地上の霊能者から提供される半物質性の「サイキック・エネルギー」を用いて心霊現象が演出されることになります。霊界の霊たちは、地上の霊能者から提供される半物質性のサイキック・エネルギーに、自分たちのスピリット・エネルギーを付け加えて加工し、心霊現象の演出に必要な材料をつくり出します。「物理的心霊現象」においてしばしば話題となる“エクトプラズム”(*1)は、こうしたプロセスの中でつくられる心霊現象の素材です。

 物体移動や物体浮揚・人間の空中浮揚といった物理的心霊現象、幽霊の物質化現象、霊界の医師によるスピリット・ヒーリングなどは、すべて「スピリチュアル心霊現象」です。霊媒現象(霊界通信)も同様です。

(*1)エクトプラズム:「物理的心霊現象」においてしばしば話題となる“エクトプラズム”は、幽界下層にいる未熟霊(職人としての役割を担う霊)が地上の「物理霊媒」から幽質素と生体エネルギー(半物質エネルギー)を取り出し、これに自らの幽質素と霊的エネルギーを加えることによって合成されます。地上の霊媒がエクトプラズムの素材を供給し、霊界の職人霊がそれを加工してエクトプラズムをつくるのです。エクトプラズムは、霊媒の身体のさまざまな開口部(鼻・耳・口・眼・生殖器)から流出します。謎が残された物質で、「物質と霊質の中間物質」「謎の半物質」としか表現のしようがありません。

 物質化したエクトプラズムの多くの場合、物質化したエクトプラズムの重量分だけ霊媒の体重が減少します。http://sp-phenomena.in.coocan.jp/part3/p3chapter1/p3c1-0B.htm

 

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1-2、サイキック心霊現象

 霊界の霊が関与することなく、地上の「霊能者(超能力者)」の能力だけで引き起こされる心霊現象・超常現象です。霊・霊能者・交霊会という3つの条件のもとで引き起こされる一般的な心霊現象を「スピリチュアル心霊現象」と呼ぶのに対し、この例外的なケースを「サイキック心霊現象」と呼びます。

 「サイキック心霊現象」の場合は、使用されるエネルギーは霊能者が持っている「サイキック・エネルギー」に限られます(*時には「肉体エネルギー(生体磁気)」も用いられます)。当然、使用されるエネルギーには初めから限界があり、スピリチュアル心霊現象と比べてサイキック心霊現象は、すべての点(スケールや威力など)で劣ることになります。ある種の霊視や透視、サイコメトリーや念写、またサイキック・ヒーリングなどは、霊の関与しない「サイキック心霊現象」です。

 

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http://sp-phenomena.in.coocan.jp/part2/p2chapter4/p2c4-01.htm

http://sp-phenomena.in.coocan.jp/part2/p2chapter4/p2c4-03.htm

 

(2)「物理的心霊現象(客観的心霊現象)」と「精神的心霊現象(主観的心霊現象)」

 心霊現象が、誰にでも(視覚的・聴覚的に)認識できるような客観性を持って現れるものか、あるいは霊能者の主観の世界(精神次元の世界)だけに発生するものか、という観点からの分類です。前者の心霊現象を「客観的心霊現象」、後者を「主観的心霊現象」または「精神的心霊現象」と言います。物理的心霊現象は典型的な「客観的心霊現象」であり、霊視や霊聴や透視、リーディングやテレパシー、神との合一体験や宇宙との一体体験などは「主観的心霊現象(精神的心霊現象)」です。また例外的に、この2つの「中間の心霊現象」もあります。客観的要素と主観的要素の両方を併せ持っている現象です。客観的心霊現象の場合には、周りにいる人間の誰にでも現象の事実が確認できるため、詐欺の入り込む可能性は少なくなります

 霊能者による霊視や霊聴やテレパシーの内容は、周りの人間には真偽のチェックのしようがありません。「主観的心霊現象」には、常に不正や詐欺が付きまとっているのです。したがってスピリチュアリズムでは、客観性を示す何らかの証拠が提示されないかぎり、その現象を霊能者の作り話や勝手な思い込み・詐欺・ペテンと判断します。

 死者からのメッセージの真偽は、縁故者しか知り得ない事実を霊能者が言い当てることによって、その真実性が証明されることになります。そのためスピリチュアリズムでは、霊能者に対して常に客観性のある証拠を求めるのです。

http://sp-phenomena.in.coocan.jp/part2/p2chapter4/p2c4-03.htm

 

2-1、物理的心霊現象

 「物理的心霊現象」とは、物理的な変化をともなう心霊現象のことで、その大半が典型的な「スピリチュアル心霊現象」であり「客観的心霊現象」です。スピリチュアリズムの初期において、霊界側からひんぱんに演出された驚異的な現象の大半がこの「物理的心霊現象」です。スピリチュアリズムの初期に盛んに演出された「物理的心霊現象」には、唯物論者で知識人の代表である当時の科学者たちに「霊魂説」を認めさせるという目的がありました。それを通して「霊的真理の伝道」の支援体制を整えようとしたのです。しかし時代の推移にともない、先進諸国ではこの種の心霊現象はあまり見られなくなりました。

 物理的心霊現象の多くが“エクトプラズム”という特殊な半物質を使用することによって演出されます。これらの現象はいずれも「スピリチュアル心霊現象」であり、「客観的心霊現象」に属します

①叩音(ラップ)現象・音響現象

 誰もいない空中から叩音が聞こえてきたり、音楽が聞こえてくるといった現象があります。これが「ラップ現象」であり「音響現象」です。霊界の霊が、霊媒体質者からエネルギーを取り出してエクトプラズムをつくり、これを用いて物質界に働きかけ、音を立てたり音楽を作成して地上人の聴覚に認識できるように演出するものです。

②物品移動現象・物品浮揚現象・人体浮揚現象

 霊が、エクトプラズムを用いて物体を移動させたり、空中に浮揚させたり、時には人間を空中に浮き上がらせるといったことを行います。これが「物品移動現象」であり「物品浮揚現象」であり「人体浮揚現象」です。こうした現象は、その場に居合わせた人々にはまるで重力がなくなってしまったかのように映り、大きな驚きを与えます。しかしこれは、霊がエクトプラズムという特殊な物質によって重力に逆らった動きをつくり出しているもので、そのすべてが「物理法則」のもとで発生しています。物理法則に従わない「物理的心霊現象」は存在しません。

ポルターガイスト現象

 霊(大半が低級霊)が、霊媒体質者からエネルギーを取り出してエクトプラズムをつくり、これを利用して家の中で騒動を起こしたり雑音を立てるといったイタズラをすることがあります。スピリチュアリズムの発端となった“フォックス家事件”は、こうした「ポルターガイスト現象」によって引き起こされました。これは最もポピュラーな心霊現象の一つであり、「ポルターガイスト現象」がひんぱんに生じる家屋は“幽霊屋敷”として、しばしば人々の話題にのぼってきました。また昔から“悪魔の仕業”として恐れられてきました。

④アポーツ現象(物品引き寄せ現象)

 何もないところから突如、物体が現れるといった不思議な現象があります。時には霊媒の身体から見たこともない物体が現れるようなこともあります。これを「アポーツ現象」と言います。霊が物体に特殊な働きかけをして分解し、それを離れた場所でもう一度組み立てて元の物体を再現するのが、この「アポーツ現象」のメカニズムであると言われています。

⑤トランスポーテーション現象(人間や物体の瞬間的な遠隔移動)

 人間や物体が突如、人々の面前から消え去り、その瞬間に遠方にそれらが現れるといった心霊現象があります。これが「トランスポーテーション現象」で、アポーツ現象とは逆の現象と言えます。

物質化現象(幽霊現象)

 霊媒から取り出したエクトプラズムを物質化させることによって、死者の生前の姿を再現するといった驚異的な現象があります。エクトプラズムの物質化の程度はさまざまですが、物質化が完全なときには、再現した死者のエクトプラズム体には生前の身体的特徴(脈拍など)がはっきりと現れるようになります。またエクトプラズム体として現れた死者の霊が、地上人と食事をしたり、握手をしたり、会話をするなど、生きている人間と全く同じ行動をすることもあります。エクトプラズム体は、一定の時間を過ぎると形態を維持することができなくなり、徐々に姿を消滅させることになります。この「物質化現象(幽霊現象)」は、“奇跡中の奇跡”と言ってもよいような驚異的な心霊現象です。

 巷でしばしば“幽霊”が出たと騒がれますが、それは物質化した霊の姿を偶然、地上の人間が見たものなのです。さらに特殊な「物質化現象」のケースがあります。それは「幽体離脱」した地上人の霊体が、自分の肉体から離れた場所で物質化して姿を見せるというものです。これが昔から“生霊”の出現として恐れられてきました。

 次で取り上げる「物理的心霊現象」は、スピリチュアリズムとは無関係なところでも、しばしば存在してきたものです。その中には「スピリチュアル心霊現象」と「サイキック心霊現象」の両方の要素を持った心霊現象もあります。

念力現象

 スピリチュアリズムにおける物品浮揚現象・人体浮揚現象が、霊界側からの働きかけによって発生したのに対し、地上の霊能者の霊体能力(念力)によって物質に力を及ぼして移動させたり破壊するといった現象があります。これは典型的な「サイキック心霊現象」で、スピリチュアル心霊現象(物品移動・物品浮揚現象)に比べ、その影響力は微々たるものにとどまります。

 一方、念力現象の中には、“低級霊”の関与によって引き起こされる「スピリチュアル心霊現象」もあります。行者が念力を用いて遠方にいる相手に危害を加えようとして呪詛(じゅそ)をすると、その悪なる念に惹かれて、低級霊が行者の周りに大挙して押し寄せるようになります。もっとも低級霊がどれほど結集しても、摂理に反した働きかけはできないため、それほど大きな影響力を及ぼすことはできません。

念写・心霊写真現象

 霊能者がカメラに向けて思念を集中すると、カメラの感光紙(フィルム)に映像や文字が写し出されることがあります。これが「念写・心霊写真」と呼ばれる心霊現象です。この現象には、霊能者のサイキック能力だけを用いて演出されるもの(「サイキック心霊現象」)と、霊界にいる霊が介入して“エクトプラズム”の操作によって映像を発生させる「スピリチュアル心霊現象」の二通りのケースが存在します。

聖痕現象

 信仰心の篤い人間の身体に、アザなどの聖なる印(しるし)が現れるという現象があります。熱心なキリスト教徒の身体に、イエスが受けたのと同じ十字架のクギの跡や、ヤリで突かれた跡が出現したりします。時にはそこから血が流れ出るといったこともあります。これが「聖痕現象」で、その人間の信仰心の深さを示すものとして尊敬の対象となってきました。

 この現象の大半は“サイキック・レベル”で発生しています。本人の純粋で強烈な霊的意識が、霊体に変化を引き起こし、それが肉体にまで現れるようになったものです。この「聖痕」は、催眠術と共通したメカニズム(自己暗示)によって引き起こされると考えられます。深い催眠状態下では五感が施術者によってコントロールされ、身体的な変化が発生することがありますが、「聖痕現象」もそれと同じような自己暗示のプロセスによって発生したものと言えます。

耐火現象

 行者が修行の一環として燃えさかる火の上を素足で渡ったり、真っ赤に焼けた石炭を素手でつかんだりしますが、不思議なことに全く火傷を負いません。これを「耐火現象」と言いますが、この現象にはサイキック能力によるもの(「サイキック心霊現象」)と、霊の関与による「スピリチュアル心霊現象」の両方のケースが存在します。いずれも肉体を半物質の物体(エクトプラズムや幽質素)で覆うことで可能となります。

芳香現象

 よい香りが霊界の霊によってつくり出され、地上人の臭覚に認識されるようになる現象が「芳香現象」です。言うまでもなくこれは典型的な「スピリチュアル心霊現象」で、音響現象と同様のメカニズムによって引き起こされるものです。

 

2-2、精神的心霊現象(主観的心霊現象)

 精神的心霊現象を発生させるのは、そこに特別な目的があるからです。その目的とは――「人間は死後もあの世で生き続ける」という事実を証明することです。すなわち“死後存続の証拠”を地上人に示して、「霊魂説」の正当性を証明することが精神的心霊現象の主な目的なのです。

霊視現象

 通常、肉眼では認識することができない物体や景色などが見えるといった不思議な出来事があります。これが「霊視現象」です。霊視は、霊体に備わっている「霊的視力(霊視力)」を用いることによって発生する心霊現象です。肉眼で見るわけではないので、目を閉じても、目に覆いをしても見ることができます。

 霊視力には低いレベルから高いレベルに至る質的違いがあります。低いレベルのものを「サイキック霊視力」と言い、高いレベルのものを「スピリチュアル霊視力」と言います。スピリチュアル霊視力は、霊体の能力であるサイキック霊視力が、霊界からの働きかけを受けて質的にレベルアップしたものです。「サイキック霊視力」では、遠方の風景や人物を見たり、目の前の人間の体内を見透すといったこと(*「透視現象」)しかできませんが、「スピリチュアル霊視力」の場合には、肉体を持ちながら霊界の景色や霊を認識することができるようになります。これが本当の「霊視現象」です。サイキック霊視力を持っているだけでは、霊視はできません。透視はできても霊視はできません。

 スピリチュアル霊視力は、霊界からの働きかけによって霊視力のレベルが高まって開かれるものですが、時に“低級霊”が働きかけて一時的に霊視現象が引き起こされるようなこともあります。“憑依”の状況の中では、しばしばこうした困ったマイナスの霊視現象が発生します。

透視現象

 霊体に備わっている「霊能力(サイキック霊視力)」を用いて、通常は認識できない地上世界の景色や人間などを見る現象が「透視」です。透視は広い意味では霊視現象の中に含まれますが、本質的な点で大きな違いがあるため、ここでは霊視と透視を区分します。霊界の霊などを認識するものを「霊視」とし、地上世界の人間などを見るものを「透視」とします。したがって透視では霊界の霊を見ることはできません。霊視も透視も、肉眼では見えないものを認識するという点では共通していますが、前者が「スピリチュアル心霊現象」であるのに対し、後者は「サイキック心霊現象」であるという点で異なります。

 透視現象は認識する対象によって、遠隔透視・物体透視・人体透視・半物質次元の透視に分類されます。「遠隔透視」は、遠く離れた所の風景や人間を認識するという現象で、かつて日本では“千里眼”と言われてきました。「物体透視」は、封筒や箱などの中に入ったモノや紙に書かれた文字などを読み取る現象です。「人体透視」は、エックス線検査のように人体内を見透して異常個所などを発見する現象です。「半物質次元の透視」とは、霊体と肉体の接合部分(中間体)に属するオーラやチャクラ・霊的エネルギーの通路などを認識する現象です。

霊聴現象

 霊視現象が霊体の視覚に関するものであるのに対し、「霊聴現象」は霊体の聴覚による現象です。霊聴現象も、サイキック・レベルのものとスピリチュアル・レベルのものがあります。「霊界の人(霊)の声を聞く」という場合は、純粋なスピリチュアル・レベルの霊聴現象です。“憑依”の始まりの段階において、異常な雑音に悩まされることがありますが、これはサイキック・レベルからスピリチュアル・レベルに移行する段階の現象です。

 ここで重要な点は、霊能者が「霊の声を聞く」といっても、地上人のような音声を聞くわけではない、ということです。なぜなら霊界には、地上のような言語はないからです。霊界人が、声を出して話をすることはありません。“言語”は、どこまでも物質世界におけるコミュニケーションの道具・物質的手段であり、霊能者が「霊の声を聞く」というのは、あくまでも主観的な感覚でのことなのです。それは霊能者にとって、地上の言語を耳で聞くような感じであったり、心の中に突如声が湧き出してくるような感じであったりします。さらには遠くから話しかけられるような感じで聞くというような場合もあります。

未来予知現象

 未来において発生する事件や事故について予知する人間がいます。そして実際に、それが的中することがあります。この「未来予知現象」も、「サイキック能力」によるものと霊界からの導きと援助の中で起きるもの(「スピリチュアル能力」によるもの)に分けられます。

 しかしスピリチュアル能力による未来予知で大切な点は、高級霊が事件や事故の発生を具体的な月日まで挙げて予知するようなことは絶対にない、ということです。なぜなら地上における事件や事故には人間の“自由意志”が関係しており、どのようなことが起きるのかは予想がついても、それがいつ発生するのかは正確には断定できないからです。霊界人には、今後発生する事件や事故の様子がフラッシュ・閃光のような形で瞬間的に示されます。それによって未来の出来事の大枠を知ることができるようになりますが、地上の時間にして具体的にいつ起きるのかは断言できないのです。軽々しく月日を指摘するような予知や予言の類は、“ニセ霊能者”の作り話であったり、地上人をからかおうとする“低級霊”の仕業であることが多いので注意が必要です。

テレパシー(感応)現象

 他人の思考や感情・体調などが、言葉を介さずに直接、伝わってくることがあります。こうした“以心伝心”と言われる現象の存在が、昔からよく知られてきました。これが「テレパシー(感応)現象」です。この「テレパシー現象」には、物質次元(*生体磁気レベル)のものから純粋に霊的レベルのものまで、さまざまあります。

 健康を害している人間の近くにいるだけで、直接相手の身体に触れたわけでもないのに急に体調が悪くなったり重苦しくなることがあります。これは肉体レベルでのテレパシー(感応)現象で、病人の発する肉体オーラ(生体磁気エネルギー)が周りの人々に影響を及ぼすことで発生します。“あくびの伝染”という現象を、多くの人々が経験的に知っていますが、これも生体磁気を介した物質次元のテレパシー現象です。

 また、ある人の写真を見たり、その人のことを考えるだけで心にエネルギーが入ってきて急に明るくなったり、反対に精気(霊的エネルギー)を奪われるように感じて落ち込んでしまうことがあります。これはサイキック・レベルのテレパシー現象です。この場合もやはり、相手の発するオーラを通して影響がもたらされています。また、これとは別種のマインド(霊的意識)レベルのテレパシーもあります。自分の考えが、遠く離れた人間に直接届くようなことがあります。相手のことを思っていたら、実はそのとき相手も自分のことを考えていたというようなことがしばしば起こりますが、これは霊的意識レベルのテレパシーと言えます。霊体や霊的心から霊的エネルギーが発せられていますが、相手に思い(念)を集中させることによって、それが一つの霊的絆・霊的パイプを形成することになります。スピリチュアル・ヒーリング(スピリット・ヒーリング)における「遠隔治療」では、霊医から発せられた霊的治療エネルギーは、この霊的パイプに乗ってヒーラーから患者に届けられます。

 テレパシーには、さらに高次元の霊的レベルでのテレパシーが存在します。それは霊界からのメッセージや導きを直接感じ取るというものです。宗教者の悟り、芸術家や音楽家のひらめき、科学者の偶然的発見などは、こうした霊的なテレパシーによるものが多いと言われています。

 このように“テレパシー”と一言で表現しても、さまざまな次元のものがあることが分かります。物質・肉体レベルのテレパシーからサイキック・レベルのもの、精神レベル(霊的意識レベル)のもの、純粋に霊的レベルのものというように、いろいろあります。この“テレパシー”という典型的な「精神的心霊現象」は、外部からではその内容を判断することができず、ニセモノと本物の区別がつきません。多くの場合、単なる個人的な思い込みにすぎないものがテレパシーとされています。

サイコメトリー現象

 霊能者が、初めて手にした物体からその持ち主や、その物体に関する背景を正確に言い当てるといった現象が存在します。これを「サイコメトリー現象」と言います。まるで物体が霊能者に語りかけ、情報を与えているようです。これは物体レベルでのオーラによる現象です(*オーラは、もっぱら“生命体”からのみ発せられる一種のエネルギーと思われていますが、実際には「物質次元のオーラ」があり、すべての物体はこの物質次元のオーラを放射しています)。この物質レベルのオーラには、その物体に関係するさまざまな情報が溶け込んでいます。

 こうした情報を、直感的に読み取る能力、ある種の霊的感応力・テレパシー能力を持った人間がいます。この「サイコメトリー」という霊的能力が、犯罪捜査においてしばしば力を発揮します。遺留品から犯人に関する情報が明らかにされることがあります。この種の現象は、霊能者のサイキック能力によって引き起こされる「サイキック心霊現象」と、霊の関与による「スピリチュアル心霊現象」の二通りに分けられます。霊界の霊が物質オーラの情報を読み取り、地上の霊能者に伝えるものが「スピリチュアル心霊現象」ということになります。

変性意識・神との合一体験

 催眠誘導やある種のドラッグ、また瞑想法や肉体行やブリージングといった特殊な手段を講じることによって、通常の意識状態に変化が生じるようになります。その際本人は、これまで味わったことがないような衝撃的な内面的体験をすることになります。人によってはその体験を、一種の悟りに至った状態と錯覚するようになります。一方、霊媒者にしばしば見られる“トランス状態”も、明らかに通常とは違った意識状態であることが分かります。こうした通常とは異なる意識状態を「変性意識」と言います。これは「心霊現象」の一つと考えることができます。

 人間の通常意識がいとも簡単に変化することが、近年の催眠術の研究やトランスパーソナル心理学や精神医学によって明らかにされるようになりました。古来より宗教には、こうした「変性意識」という心霊現象が当たり前のものとして付きまとってきました。スピリチュアリズムでは、この変性意識の発生メカニズムを明らかにしています。普段、「霊的意識」は物質(肉体)の中に閉じ込められていて、ほんの一部分しか自覚(顕在化)できないようになっています。ところが一度に多くの「霊的エネルギー」が取り入れられると、それまで顕在意識の中にわずかしか現れていなかった「潜在意識(霊的意識)」が、突如たくさん顕在化されるようになります。このとき大半の人間は、思ってもみなかった自分の心の変化に驚くことになります。以上が、変性意識の発生メカニズムです。

 変性意識の発生は、特殊な方法(催眠誘導・ドラッグ・瞑想法・肉体行・ブリージングなど)によってある程度まで可能になりますが、それは自然なプロセスにそったものではないため好ましくない結果をもたらします。しばしば“精神障害”や“憑依”といった副作用を引き起こすことになります。本来「変性意識(霊的意識の拡大化)」は、どこまでも人間の「霊性向上」にともなって自然発生的に起きるものなのです。時間をかけた霊性向上の努力にともなって、いつの間にか発生するようになるのが理想です。熱心で真剣なクリスチャンが、長年の祈りと禁欲生活の末に体験する「神との合一体験」という神秘体験は、まさにこうした自然発生的な「変性意識現象」なのです。

幽体離脱現象・臨死体験

 睡眠中やトランス状態下において霊体が肉体と分離し、自分の肉体を眺め下ろしていたというような体験談が数多く報告されています。その際しばしば、死後の世界の入り口(この世とあの世の境界)を垣間見たという報告がなされます。これが「幽体離脱現象(臨死体験)」です。こうした現象に対してある人は、それは脳内での主観的な体験にすぎないと言い、また別の人は、死後の世界を見てきた体験(臨死体験)であると主張します。近年、この「幽体離脱現象(臨死体験)」に関する研究が盛んになってきましたが、いまだに賛否両論が真正面から対立し、当分のあいだ決着はつきそうにありません。

 スピリチュアリズムは、この「幽体離脱現象」について驚くべき事実を明らかにしています。「幽体離脱」は、これまで一部の人間だけに起きる特別な現象と考えられてきましたが、実は大半の人間が毎晩のように体験しているということです。大部分の人々は眠っている間の体験を目覚めてから思い出せないために、「幽体離脱」は特別な人間だけに生じる現象と考えられるようになったのです。スピリチュアリズムが明らかにした事実からすれば、すべての人間が「幽体離脱現象」を引き起こすことができる霊能者ということになります。

 この「幽体離脱現象」には、特殊なケースが存在します。それは「幽体離脱」によって霊体が肉体から離れた場所にいるとき、そこに霊媒体質者がいると物質化して人々の目で認識できるようになったり、霊視能力を持った人間によって霊体が確認されることがあるということです。これが昔から “生霊”と言われてきたものの実態です。

 以上の説明は、下記のウェブサイトからの転載です。

http://sp-phenomena.in.coocan.jp/part2/p2chapter4/p2c4-04.htm

 なお、詳しい物理的心霊現象・精神的心霊現象については、下記に記述されています。

http://sp-phenomena.in.coocan.jp/part3/p3chapter1/index.htm

http://sp-phenomena.in.coocan.jp/part3/p3chapter2/index.htm

 最後に、低級霊・邪悪霊は、地上人と霊的波動が合えばすぐに侵入してきます。地上人が疲れて物欲や利己心にとらわれ、嫉妬や憎しみ・怒り・情欲などの悪感情に支配されると、低級霊・邪悪霊にすぐにキャッチされ、侵入されかねません。その時、地上人は頭が重くなったり肩が凝ったりという現象に見舞われます。また、興味本位に心霊現象に関心を持つことも、低級霊・邪悪霊の波動に合わせることになるので注意しなければいけません。低級霊・邪悪霊を引き寄せないようにするためには、利己的な思い、物欲の思いをなくし、利他愛に満ちた健全な心を保つことが重要です。