ローマ法王とカトリック首長の相次ぐ破格の言動の意味は?

 カトリック教会系メディアのゼニスは2013年8月21日、600年ぶりに任期途中で退位した前ローマ法王ベネディクト16世(86)が、「神秘的な体験」をしたと「神のお告げ」を受けて退位を決断したと報じた。そして、後を引き継いだフランシスコ法王の仕事ぶりを見るにつれ、退位の決断が「神のおぼしめし」だったと確信するようになったという。

フランシスコ・ローマ法王(76)は今年3月にキリスト教カトリック史上初の中南米出身法王に選出されてから間もなく半年を迎える。就任以来、社会的な弱者に寄り添う「貧者のための質素な教会」路線を打ち出し、バチカンローマ法王庁)に根付く欧州中心主義からの脱却に取り組んでいる。日本にキリスト教を伝えた修道会イエズス会出身の法王である。

法王の目は、社会の「辺境」に暮らす人々や弱者・少数派に向けられている。リオのスラム地区で「あなた方は独りぼっちではない」と住民に連帯の手を差し伸べ、「自らの足で立ち上がることができる」と薬物・アルコール依存症患者を励ました。女性の役割を強調し、同性愛者の社会統合も訴えている。天を突く欧州ゴシック建築の大聖堂に象徴される「父なる神」の厳格さよりも、貧しい人々や罪を犯した者も慈悲で包み込む「母なる神」のぬくもりを発信しているように見える。

「神を信じなくても自分の良心に従えば、神は慈悲を施すだろう」。ローマ法王フランシスコは11日、イタリアのある新聞に送った手紙で、「神は神を信じない人々を許すのか」という無神論者の質問にこのように答えたという。【韓国東亞日報2013/9/13)

イタリアの日刊紙「ラ・レプッブリカ」の共同設立者であり元編集長の無神論者、ユージーン・スカルパリは8月、コラムで法王に公開質問した。すると法王は同紙に2600字の返事を送り、11日付1面で紹介された。

法王は、「真心と懺悔の心を持てば、神の慈悲は限界がない。信仰がなくても良心に従えばいい」と述べた。そして、「無神論者たちは、良心に外れる行動をする時、罪を犯すことになる」とし、「良心に耳を傾けてそれに従うことは、善と悪を分けて判断するという意味だ」と述べた。

法王は今年5月にも、神を信じなくても善行すれば救われるという趣旨の説教をして議論になった。当時、法王は、「救われるために信仰を持たなければならないということを知りながら信じない彼らは救われない」と説明した。

英国の日刊紙、ザ・タイムズは12日、「イタリアの代表的な保守系メディアに無神論者に答える法王の文が掲載されたのは異例のことだ」と伝えた。(前任の)ベネディクト16世は2012年12月、英紙フィナンシャル・タイムズに、クリスマスの意味を再確認する文を寄稿したことがある。

一方、来月「カトリック界のナンバー2」の地位と呼ばれるバチカンローマ教皇庁)の新国務長官に就任する駐ベネズエラ教皇大使のピエトロ・パロリン大司教は11日、「カトリック司祭の義務の一つである独身制を続けるのかどうか考える必要がある」と述べた。パロリン大司教は同日、ベネズエラ日刊紙「エルユニバーサル」とのインタビューで、「独身制は時代遅れであるうえ、カトリック法の教理でもない」とし、「しかし長い間の伝統なので、存続の有無を検討する必要がある」と明らかにした。

このようなカトリック首長の相次ぐ破格の行動は、保守的なイメージを脱して勢いを回復させるための努力のようだと専門家たちは分析した。http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2013091354658

時代は、カトリック教会をも大きく変えようとしているようだ。新しい時代がやってきている。