「易経」が教える循環と苦難への対処(1)

誰でも「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉を知っていると思います。易占いは、筮(ぜい)を立てて得た卦を使って、今起きている問題への対処法を知る方法です。一方「易経」は、人生で起こるあらゆる場面の解決法<陰陽の組み合わせによる64種類の…

覚りと悟り(解脱)とは同じではない

(1)釈尊の悟りと解脱 釈尊は、菩提樹の下で瞑想に入り、想いの世界において悪魔の挑戦を受け、最後色魔との闘いに勝利をおさめ、悟りを得たとされている。その境地は無上のものであったという。この伝承が、悟りを得ると解脱し、涅槃の境地に入るという仏…

朱子(朱熹)の鬼神論(2)

(4)問う。『遊魂、変をなす』とありますように、時たま人に祟るものがあります。どうして散らずにおれるのですか。」 先生いう。「『遊』というのは、次第々々に散るということである。人に祟るものの場合は、まともな死に方をしなかったものが多い。その…

朱子(朱熹)の鬼神論(1)

中国では古代以来、自然=事物と鬼神とは表裏一体のものであった。自然や堅物の裏側に、ある霊妙なものの存在が予感されていた。『周礼』大宗伯にみえる雨師・風師は、雨や風の背後にあってそれらを現象せしめる神である。『中庸』第16章の「物に体して遣すべ…

綿々と続けられてきた中国皇帝の儀式

中国の皇帝がどのような祭祀を行ってきたか、今やほとんど知る人もいないであろう。共産主義中国になって65年、祭祀は何の意味ももっていないだろう。しかし、中国に皇帝が君臨していた時代、皇帝の儀式はとても重要な意味をもって行われていたのである。 …

東洋陰陽思想の核「太極」

「太極」という言葉は古代からあったが、宋学(朱子学)以降極めて重要な概念となった。朱子らが編纂した宋学(朱子学)の入門的教科書「近思録」の開巻冒頭に、北宋の儒学者周敦頤(しゅうとんい、号は濂渓れんけい。1017~1073)が載せられている。 朱子学…

孔子の「忠」の思想-「忠」の発生と「忠」思想の歪曲化

儒教の教えに五倫の教え〔五倫の関係=父子関係(父子の親)、夫婦関係(夫婦の別)、兄弟関係(長幼の序)、君臣関係(君臣の義)、朋友関係(朋友の信)〕がある。五倫は、戦国時代孟子が、秩序ある社会をつくっていくためには、「孝悌」を基軸に、道徳的…

孔子が目指した理想世界

仁の人間中心の哲学思想から出発し、古代の聖王<堯・舜・禹>の時代を理想社会として、将来そのような社会の実現を目指した孔子は、大同世界と小康世界の二つの異なるレベルの理想世界を示した。二つの理想世界を紹介する。 (1)大同世界 大同世界は、公…

日蓮の警告が受け入れられていれば、蒙古襲来という悲劇は避けられていただろう。

// // (1)日蓮は、蒙古襲来を予言したとして有名になった。しかしそれは、日蓮の本意ではなかった。日蓮の警告もむなしく蒙古襲来は現実のものとなったからである。 危機を伝えようとする予言は悲しいものである。危機を叫んでも何を馬鹿な!と無視され、…

 「世界平和の祈りの輪」プロジェクトを提唱する

戦争の足音が近づいている。偶発的な軍事衝突が引き金となって戦争勃発という事態がいつ始まるかわからない。安倍政権は、危機を助長させるかのように安保法制の改革、集団的自衛権の行使に足を踏み入れ、憲法改正さえ目指している。軍事的均衡政策こそが、…

ヨブ記と随神(かんながら)の道

旧約聖書の『ヨブ記』は、古より人間社会の中に存在している神の裁きと苦難に関する問題に焦点が当てられた「義人の物語」です。『ヨブ記』の主人公ヨブは非の打ち所のない人物でした。この全く正しい人で何も悪いことをしていないヨブに、ある日突然次から…

人々を神から遠ざける二つの邪教(バラモン教とウラル教)

宗教とは「胡散臭いもの」、せいぜいお正月に初詣をして、お盆に墓参りをして先祖供養をして、厄年には厄払いをするぐらいにして、それ以上は近づかないのが賢明であると考えておられませんか。現在多くの日本人が、宗教は理解できない胡散臭いものとして敬…

母が紡んできた命と愛―飢饉の時最初になくなっているのが母親

私たちの生命は、先祖から綿々と紡がれてきた尊いものです。子育てを放棄してしまえばそこで命は途絶えてしまいます。そこには家を守り子供を育てるために、知恵を絞り自らを犠牲にして命を削ってまで愛を注いできた尊い母の愛があったことは誰もが感じてお…

日本国粋主義の元凶とされている平田国学の「万国の本国」思想

和辻哲郎は、『日本倫理思想(下)』の中で、「篤胤は、その狂信的な情熱の力で多くの弟子を獲得し、日本は万国の本である、日本の神話の神が宇宙の主宰神であるというような信仰をひろめて行った。この篤胤の性行にも、思想内容にも、きわめて濃厚に変質者…

民族宗教としての神道(国家神道)の成立と内包する問題ー(3)

(5)国家神道の成立とは何だったのか(私見) ●国家(民族)の守護祭祀の確立 明治政府の指導者たちがさまざまな宗教的な問題や提案のなかで最終的に理解し、承認を得ようとした神道とは、ある特定の教義や施設にのみ関わるものではなく、いろんな思想や教…

民族宗教としての神道(国家神道)の成立と内包する問題ー(2)

(3)全国各地における神社創建と靖国神社 復古神道に基づく神殿が、一時的ではあれ全国に創建されていった。教導職のための神殿として大教院神殿が東京芝増上寺に創建され、各府県の中教院にもそれぞれ創建されていった。明治2(1869)年、東京招魂社(後…

民族宗教としての神道(国家神道)の成立と内包する問題ー(1)

王政復古がなされた時、迫りくる諸外国からの圧力に対して、復古神道を核とした国づくりをしようとした明治新政府では、国民の意識をどのようにまとめるかが重要な問題であった。開国に伴い禁令であったキリスト教にいかに対処していくべきか、また神仏分離…

家系の法則3-先祖の因果が子に報う

「先祖の因縁が子に報う」といわれてきましたが、どのように現れて来るのかまとめてみました。 1、蛙の子は蛙(先祖の形質を受け継いでいること) 人の才能は、一朝一夕に出来あがるものではありません。すぐれた才能を発揮している人の背景を探ってみると…

家系の法則2-縦横の法則

誰もが、自分に先祖の影響があることを感じていることと思います。しかし、それがどのように関係しているのかとなると、皆目わからないのが現実です。そのような状況の中で、羅針盤となるかもしれない一つの法則(傾向)があります。「縦横の法則」と呼ばれ…

家系の法則-1、ジェノグラムで分析される家族関係(2)

(2)世代を越えた繰り返し現象 アルコール依存症、近親相姦、身体症状、暴力、自殺といった多くの症状パターンは世代を越えて家庭内に伝承される傾向があります。このような繰り返しがみられたら、自重することが必要です。 俳優のピーター・フォンダ家の…

家系の法則-1、ジェノグラムで分析される家族関係(1)

人間の生存の基本単位である家族が、平和で愛に満ちた基地であるならば何も問題はない。しかし、現在多くの家庭が問題を抱えて苦しんでいる。どこに原因があるのかよくわからないから、苦しみは増すばかりである。離婚、精神疾患、家庭内暴力、病気、夭折・…

アメリカ大陸にもたどり着いていた古代ユダヤ人(モルモン教とモルモン書)

古代ユダヤ王国は、ソロモン王(紀元前965年‐紀元前930年)の死後、南北に分裂して、北王国は紀元前722年にアッシリアにより滅ぼされ、10支族のうち指導者層は虜囚としてアッシリアに連行された。この10支族の行方は文書に残されていないため、残りの2部族に…

幕末明治維新期に成立した民衆宗教の展開と特徴

(1)民衆宗教の成立 幕末明治維新の時代は、13世紀鎌倉時代と並ぶ宗教の一大変革期であった。この時代に、習合神道系、仏教系、山岳信仰系等の宗教運動が新たに成立した。キリスト教もカソリックが再伝来し新たにプロテスタントが伝来した。 幕末明治維新…

共産主義より恐ろしい《性の堕落》

女優の上戸彩さんが“不倫妻”役で主演した連続ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ系)の最終回となる第11話が9月25日に15分拡大版で放送され、平均視聴率は16.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)を獲得したという。大ヒットであ…

本居宣長の「もののあはれ」考(3) 「情」の本質と善悪

(1)「情」 移ろいゆくその姿 宣長は、「情」というものが曖昧で不安定な動きをすることを知っていた。それは、「とやかくやと、くだくだしく、めめしく、みだれあひて、さだまりがたく」、けっして「一かたに、つきづきなる物にあらず」と知ってはいた。…

本居宣長の「もののあはれ」考(2) 「情」の根幹を探して

「情」という字は、「じょう」と読むだけでなく、「なさけ」とか「こころ」と呼ばれてきた。この字に込めた日本人の思いには、特別な思いがあるように感じる。歴史を振り返ると、漢字は中国から日本に伝えられてきたものである。宣長が、「大御国にもと文字…

本居宣長の禍津日神論(宣長は、悪神《悪魔》と出会っていた)

「さて世間にあらゆる凶悪事邪曲事(あしきことよこしまなること)などは、みな元は此ノ禍津日(まがつび)ノ神の御霊より起るなり(『古事記伝六』) 「禍津日(まがつび)ノ神」と名づけられた悪神は、悪霊を意味しているのではない。もっと根源的霊的存在…

本居宣長の「神」の観念《人も悪霊も怪しきものもみな神である》

現代日本人の「八百万の神観」に大きな影響を与えているのが、本居宣長の「古事記伝」で語られている有名な「迦微(かみ)」とはという言葉である。「さて凡て迦微(かみ)とは、古御典等(いにしえのみふみども)に見えたる天地の諸の神たちを始めて、其を…

本居宣長の「もののあはれ」考 (1)小林秀雄と「もののあはれ」

(1)もののあはれと源氏物語 小林秀雄氏は、「折口信夫氏は、お別れしようとした時、不意に、『小林さん、本居さんはね、やはり源氏ですよ、では、さよなら』と言はれた」と、「本居宣長」の序に書いてゐる。 宣長は、「源氏」を語ろうとする努力と、同じ…

平田篤胤とキリスト教

復古神道の大成者平田篤胤(1776~1843)は、荷田春満、賀茂真淵、本居宣長とともに国学四大人(うし)の中の一人であり、幕末維新の中で大きな影響力をもった人物である。篤胤は、宣長亡き後国学を変革し、明治維新に大きな影響を及ぼしていく。(それは一…