2014-01-25から1日間の記事一覧

死と墓の表象(日本とヨーロッパの比較)フィリップ・アリエスの研究を通して

ラテン・ヨーロッパを舞台として紀元前後から現代まで2000年にわたる死の表象を研究したフィリップ・アリエスの仕事(主著「死を前にした人間」みすず書房1990、「図説 死の文化史」日本エディタースクール出版部1990)は、ヨーロッパにおける死者の観念と墓…

日本の墓の変遷と霊魂観(2)

(4)近世ー檀家制度と墓参慣習 15世紀から17世紀にかけて、日本列島では遺体・遺骨に対する見方は再度大きく転換する。永続的に受け継がれるイエ(家)の制度と観念が庶民層まで広がり、それを背景として個人の墓・家の墓地が広く一般化していく。今日にま…

日本の墓の変遷と霊魂観(1)

東北大学大学院教授の佐藤弘夫氏が日本人の墓の変遷についてまとめられている。墓がどのように変遷を遂げてきたか、それを知ることは未来にも通じるはずである。現代の日本人は、通常遺影を家に飾り、立体化した墓地に家の墓を作り遺骨を埋葬している。また…